よくある質問
じゃがいも、さつまいも、さといも、かぼちゃなどでんぷん質の多い食品を摂取すると、腹痛、下痢を起こす生徒がいます。食物アレルギーの診断は受けていないようです。食物アレルギーではない別の原因があるのでしょうか

お話を伺っただけでは完全に否定することはできませんが、IgE依存性(アナフィラキシーを起こすタイプ)の食物アレルギーの可能性は低いと思われます。食物アレルギーで下痢や腹痛のみの症状が出ることは典型的でなく、また、芋類やかぼちゃが食物アレルギーの原因となる確率も低いためです。食物アレルギーの診断にはまず問診が重要となりますが、症状の出現が毎回でなく一定しない場合や、疑わしい食材を食べていないのに腹痛や下痢が起こる場合には、食物アレルギー以外の疾患の可能性が高まります。
もともと芋類やかぼちゃなどは、腸内で発酵してガスを発生させる食材です。腸内環境によっては、ガスが多く発生しやすい体質の人がおり、このガスが腸を刺激して腹痛や下痢が起きることがあります。また、乳糖不耐症のように、でんぷん質の分解酵素がもともと少ない体質で下痢になりやすい方もいます。軽度の過敏性腸症候群で、これらの食材が腸を刺激し、症状が現れる場合もあります。
いずれも軽症であれば、その体質とうまく付き合っていくことが一般的ですが、日常生活や栄養状態に支障を来す場合には、かかりつけの小児科の先生に相談することを生徒さんにおすすめしてはいかがでしょうか。