
子どもの
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す、子どもに多い皮膚の病気です。
症状
アトピー性皮膚炎の湿疹は、肌に火事が起こっている状態です。
具体的な症状として
- 赤み
- ぶつぶつ、かさかさ
- ジュクジュク、かさぶた
- 強いかゆみ
などがあります。
症状が出やすい場所は図1の通りです。
かゆみのせいで眠れなくなったり、かきこわして血が出たり、皮膚が厚くなることもあります。保湿剤を塗っていても、“かさかさ”や“ざらざら”が続くときは湿疹があるかもしれません。
原因
以下のような要因が重なって起きます。
- 皮膚のバリア機能の低下
- アレルギーによる炎症
- かゆくてかいてしまう
→ もっと悪くなるという悪循環
治療
以下の3つの柱をバランスよく続けていくことが大切です。
- 薬物治療(塗り薬、飲み薬、注射薬)
- スキンケア(やさしく洗って保湿)
- 悪化のきっかけを減らす工夫
中でも、ステロイドなどの塗り薬はとても重要です。
ステロイドに不安を感じる方もいると思いますが、皮膚の炎症を素早く抑え、かゆみの悪循環を止めるために必要な薬です。
症状が落ち着いたときこそ大切なのが、「すぐに薬をやめず、計画的に減らしていく」こと。医師と相談しながら、ぬる回数を減らしたり、ステロイド以外の薬に切り替える方法もあります。
こどものアトピー性皮ふ炎についてもっと知りたい方は、こちらをご覧ください。
独立行政法人 環境再生保全機構
【ぜん息悪化防止のための小児アトピー性皮膚炎ハンドブック】
よくある質問
お薬をやめるとすぐに湿疹がぶり返します。
アトピー性皮膚炎なのでしょうか?
アトピー性皮膚炎は、湿疹の出方や繰り返し方から診断されます(日本皮膚科学会の診断基準では1歳未満なら2カ月以上、それ以上の年齢なら6カ月以上続く場合に診断)。また、一見きれいに見える肌にも、実は“隠れ炎症”があることが分かっています。
アトピー性皮膚炎の診断の下、医師は保護者の方と一緒に計画的な治療が行えます。
ステロイド外用薬やアトピー性皮膚炎専用の薬を上手に使って隠れ炎症を抑え、悪くなるのを予防しながら治療を計画します。
「べたべたする」と言って、
子どもが薬を塗るのを嫌がります。
塗り薬は、ティッシュが軽くくっつくくらい、皮膚がてかっと光るくらいが、ちょうどよい塗り加減の目安です。
アトピー性皮膚炎の子どもさんの中には、皮膚が敏感で、べたつきが苦手な場合もあります。そんなときは、週に1回でも、体の一部だけでも構いません。「今日はここだけ塗れたね」と、できたことを一緒に喜びながら、少しずつ慣れるようにしましょう。
ただし、どんどん悪化している、眠れないほどかゆいなどの症状がある場合は、治療の見直しが必要です。早めに専門の医師にご相談ください。

治療を続ければ治るのでしょうか?
アトピー性皮膚炎をすぐに完全に治すことは難しいのですが、きちんとお薬を使って炎症を抑え、症状が出ない状態を続けることが大切です。そうすることで、いずれは治る可能性がとても高くなります。
特に子どものうちにしっかり炎症をコントロールすることが、アトピー性皮膚炎を成人期に持ち越さないためのポイントです。
繊細なお肌との上手な付き合い方を、小さいうちから身に付けましょう。
熊本大学病院 皮膚科
講師 柏田 香代
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
