あなたの心配・不安にこたえます。くまもとアレルギー相談室 @熊本県アレルギー疾患対策拠点病院

アレルギーって何?

私たちの体には、細菌やウイルスといった「有害」なものから自分を守る「免疫」という働きが備わっています。この「免疫」が、ダニや花粉、食べ物など「無害」のものについて過剰反応することを「アレルギー」といいます(図1)。

IgE抗体

アレルギー疾患の多くは、特定の「アレルゲン(抗原)」が、「そのアレルゲンだけに結合するIgE抗体」と反応するⅠ型アレルギー反応(即時型)により起こります。
接触性皮膚炎や消化管アレルギーなど、IgE以外の「細胞性免疫」が関与するアレルギー疾患もあります。

アレルギー検査

(図2)に主なIgE抗体の検査法を示します。
どの物質(アレルゲン)に対してIgE抗体を作るかは個人により異なります。また、IgE抗体が存在しても、必ずしもそのアレルゲンに対してアレルギー症状を起こすわけではありません。検査結果の解釈については医師の説明を受けましょう。
一方、「IgG抗体」を食物アレルギーの診断に用いることについて(保険適応外)は日本、米国、欧州のアレルギー学会が公式に否定しています。
https://www.jsaweb.jp/modules/important/index.php?content_id=51

アレルゲン

① 空中に浮遊してアレルギー反応を起こす吸入性アレルゲン:花粉(スギ、カモガヤ、シラカバなど)・ダニ(ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニなど)・動物の毛・フケ(イヌ、ネコなど)等
② 食物アレルゲン(卵白、牛乳、ピーナッツなど)
に分かれます。
年齢によって、発症しやすいアレルギー疾患や、原因となることが多いアレルゲンに特徴があります(図3)。

さいごに

アレルギー疾患はIgE抗体を作りやすい「体質」とアレルゲンの「曝露(原因物質にさらされること)」の程度により発症します。アレルギー体質は簡単に変えられないため、「治す」ことはまだ難しいのですが、アレルギーのない人と同じような生活を送れるよう「コントロールする」ことは可能です。
適切な診断と治療を受けていただくためにも、分からないことや困ったことは何でも医師に相談してください。

国立病院機構熊本医療センター
小児科

医師 緒方 美佳