あなたの心配・不安にこたえます。くまもとアレルギー相談室 @熊本県アレルギー疾患対策拠点病院

Q&A

医療従事者・教育関係者の方向けQ&A

エピペンが1本処方されるときと、2本処方されるときはどうちがうのでしょうか。
小学2年生の児童が、今まで0.15mgのエピペンを2本処方されていたため、1本は本人のランドセル、もう1本は保健室に保管していました。
体重の関係で0.3mgのエピペンに変わったのですが、1本の処方のため、本人のランドセルでの保管のみになっています。
なにかあればすぐに救急車を呼ぶので、とりあえず1本あれば十分なのかなと思う一方、念のために保健室用にもう1本処方していただくよう、保護者に依頼したほうがいいものか気になっています。

私は2本処方します。
本来は、1本では足りなくて2本くらい必要な重症な子に処方、でしたが、患者さんの多くは、学校とご自宅に1本ずつおいておくために処方している子がほとんどです。ヒューマンエラーを避けるために、有効な手立てであると考えます。

生活管理指導票を記入する方がアレルギー専門医ではありませんが、お願いできますか?

医師にはそれぞれ専門性(内科、外科、内科の中でも呼吸器科、循環器科…など)があり、必要に応じお互い連携し診療しています。
全国的にアレルギー専門医(日本アレルギー学会)は少なく、全ての患者さんを専門医だけで診察することは不可能です。大多数の方はかかりつけ医の先生に生活管理指導表を記載していただいております。全ての医師に食物アレルギーに関する栄養学的な知識を求められるでしょうか?
栄養士である栄養教諭の先生方にも知識をつけていただき、保護者はもちろん、医師とも連携いただくことが求められると考えます。

特異的IgGに関連する遅延型アレルギーについてガイドラインに記載がありません。
保護者から「遅延型アレルギーのため、除去してほしい」と言われたら、どうしたらいいのでしょうか?

学校での食物アレルギー対応は「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」に基づき施行されるとあり、この中で遅発型アレルギーについては取り上げられていませんし、生活管理指導票の「病型」の欄にもありません。
遅発型食物アレルギーは特異的IgG抗体を基に診断されるそうですが、日本アレルギー学会および日本小児アレルギー学会は食物アレルギーにおけるIgG抗体の診断的有用性を公式に否定しています。(https://www.jsaweb.jp/modules/important/index.php?content_id=51)アナフィラキシーは「即時型」反応の重篤例であり、「IgE」依存性食物アレルギーです。

幼少期の鶏卵アレルギーの既往が保健調査に記入されているが、今は食べている。
どの程度注意が必要でしょうか?

給食対応が必要か保護者と面談してください。対応を要する児童については生活管理指導票の提出を依頼します。生活管理指導票の提出がなければ原則給食対応はできません。

高校生です。
「本人がわかっているので、食べなければ大丈夫です」と、生活管理指導票を提出しない場合があります。
修学旅行などで、除去食が求められる場合、病院を受診すれば生活管理指導票を書いていただけるのでしょうか?

保護者が食事への対応を求める場合、規則では生活管理指導票が必要ですし、エピペンを要する例はもちろんです。医療機関にて、保護者および本人と除去食の要否を検討します。
「食べられるものが限られてしまうので早く『負荷検査』をするよう勧めた」の質問にもありますように、負荷試験には時間がかかりますし、「食べられる」という診断は時間をかけて慎重に行います。

生活管理指導票の、食物アレルギーの除去根拠が③血液検査陽性だけになっています。
本当に食物アレルギー対応が必要でしょうか?

生活管理指導票の診断根拠が③血液検査陽性の場合、日本学校保健会による「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」(p33)には、『保護者を通じて主治医に除去の必要性について再度問い合わせをする場合があります。しばらく耐性獲得の検証が行われないのであれば食物経口負荷試験の実施を検討してもらいましょう。』とあります。その旨主治医に相談されてみてはいかがでしょうか? 必要に応じて負荷試験実施可能施設へ紹介されると思います。
学校保健会が運営している「学校保健」(http://www.gakkohoken.jp)からダウンロードできる「生活管理指導票活用のしおり~主治医向け~」にも、その旨説明されており、利用をお勧めします。

負荷試験の要否は医師と保護者が検討します。特異的IgE抗体が高すぎる場合等、負荷試験ができない例もあります。また、負荷試験の前に、問診が重要です。本当に食べておられませんか? 市販の離乳食を利用されている場合は原材料を見せていただくと参考になります。
また、具体的な食品を挙げて質問してみましょう。例えば牛乳アレルギーが疑われる場合、ヨーグルトが食べられるのであれば、牛乳アレルギーはなさそうですし、チョコレートが食べられるのであれば少量は摂取可能なので、厳密な除去は不要かもしれません。

血液検査のみの結果で対応を申し出る保護者がまだ多い現状があります。

文部科学省及び日本学校保健会のガイドラインは、給食対応が必要な場合、 医師の診断に基づく生活管理指導表の提出を必須とする旨述べています。血液検査の結果のみの提出では対応できません。
除去食の対応をする場合は、医療機関を受診いただき、生活管理指導表を作成してもらいましょう。保護者向け説明として、学校保健会が運営している「学校保健」(http://www.gakkohoken.jp)からダウンロードできる「生活管理指導表活用のしおり~保護者向け~」が利用できます。

緊急時に搬送する医療機関まで時間のかかる遠隔地の学校では、どういった対応を心がければよいでしょうか?
(エピペン未処方例、新規発症例など)

「アナフィラキシーで救急搬送され、ミルクアレルギーと診断された0歳児」の質問をご参照ください。
甲殻類や、食物依存性運動誘発アナフィラキシーなどは、しばしば学童期以降で発症し、またその予測はできません。その場合、食物アレルギーを起こしたことがない例ですので、エピペンも処方されていません。
緊急時の対応についてはあらかじめ、医療機関と連携しておくとよいでしょう。学校個別で連携しにくい場合は、アレルギー疾患に対する取り組みガイドラインに沿って、教育委員会に連絡して下さい。

食べられるものが限られてしまうので早く『負荷検査』をするよう勧めたが、検査には時間がかかるものなのか?

現在、経口負荷試験が実施可能な施設は少なく、検査を受けるまで数か月お待たせせざるを得ないのが現状です。また、一回の負荷試験でいきなり卵1個、牛乳200mlを摂るわけではありません。
牛乳を例にとると、まずは2mlを目標とした負荷試験を行い、体調等による症状出現がないかを自宅で何度か摂取いただき、1-3か月後に15mlを目標とした負荷試験を行い…と段階的に進めますので、十分食べられるかどうか確認するのには時間がかかります。

食物アレルギーの疑いがある子どもさんの保護者に検査を勧めてもすぐに受けてはもらえない。
数回声をかけて(半年から1年くらいかかる)受けてくださるが長く放っておいてもいいのか。

園や学校のルールはいかがでしょうか?
厚生労働省文部科学省は保育園及び学校におけるアレルギー対応ガイドラインに、給食を含め「アレルギー対応を要する児」は医師の診断による生活管理指導票の提出を必須とすると記されています。
主治医が除去の要否を判断し、必要に応じて紹介受診を検討されます。これを提出されない場合、原則対応できません。保護者の方にもガイドラインをお見せし、ご説明なさってはいかがでしょうか。

「園では出ていなかった蕁麻疹が家についたら出ていた」と、保護者の連絡があった場合。
食事等は答えられるが、何を伝えたらいいのか分からない。

食物アレルギーを疑う場合には、食事および症状の出現時間と症状、食事内容(調味料の原材料が示された詳細なもの)を参考にしますが、蕁麻疹の8割は原因が特定できない特発性蕁麻疹です。
蕁麻疹の皮膚症状は数十分から数時間できれいに消失するため、1日の中で症状が出ている時間と出ていない時間があります。症状が一旦消えても再度症状が出てくることが多いため、皮膚科を受診することをすすめてください。

一人ひとりの子に合わせて、とは思いますが、ぜんそくやアナフィラキシーで救急搬送をされた兄姉がいる場合、やはり心配になります。
血液検査で何も反応なくても、離乳食後、顔が赤くなっていると大丈夫かなと過剰に反応してしまいます。

蕁麻疹は「熱」や「咳」といった症状名です。肺炎の子どもさんの多くに発熱を認めますが、発熱児の多くが肺炎ででしょうか? 食物アレルギーの症状としては90%以上の例に蕁麻疹が出現します。一方、蕁麻疹がみられる患者さんの中で、食物アレルギーが原因となることは数%であり、8割は特に原因が指摘できない「特発性」と報告されます。

食物アレルギーによる蕁麻疹であれば、アナフィラキシーを起こす可能性があるためご心配なさるのではないでしょうか?
じんましん出現時には最悪の場合を想定し、保育所または学校におけるアレルギー対応ガイドラインに記載されております、アナフィラキシー対応マニュアルに則り対応されると安心です。
食物アレルギーの即時型症状は食後2時間以内に出現します。次に、蕁麻疹に加え、呼吸器症状(咳がずっと止まらない、呼吸苦を訴える、ぜーぜーする)が出現するようであればアナフィラキシーを強く疑い、救急搬送を検討されてください。前もって、園医の先生やかかりつけの先生と、園での対応について相談しておかれると安心です。

血液検査で若干反応はあるものの、除去の必要はないと診断されている子ども。
「顔が赤くなる、顔に発疹が出るなど症状が軽い場合は心配しなくてもよい」とのことでしたが、散歩に出て赤くなるなどがみられ慌てて戻ってきました。
後日血液検査をすると、食べ物だけではなくイヌ、ネコ、イネなどアレルゲンが増えていました。
家庭も含め、園で外気浴や散歩などどのように考え、取り組むといいでしょうか。

散歩に出て顔が赤くなる理由はいろいろ考えられると思います。
空気中に浮遊しているものが原因であれば、目に付着しやすいので、目の周りが赤くなったり、かゆくなったりします。熊本では黄砂が飛んでくるときに痒みを訴えるひとは多いです。
また、手で触ったものが、無意識のうちに顔に手をやることで顔に触れ、影響が出ている可能性もあります。
もし、晴れた日に散歩して赤くなるのであれば、光線過敏症という可能性もあります。日光でじんましんがおきる日光じんましんという方も稀ではありますがいます。日焼け止めをぬって赤くなるのが防げるか試してみるとよいでしょう。
もし、日光にあたった部分がほかの人にくらべて明らかに赤くなる、ということであれば、一度大学病院で光線過敏の検査をしたほうがよいかもしれません。

アナフィラキシーで救急搬送され、ミルクアレルギーと診断された0歳児。
体重が15キロ以下のエピペンの処方がなされていないが、園でもしアナフィラキシーが起きたらどのような対応をしたらよいか。

エピペン🄬はアドレナリン自己注射薬で0.15㎎と0.3㎎の製剤があります。
体重15kg未満の児に対するエピペン🄬0.15㎎使用は、過量投与(0.01mg/kg)となります。病院ではバイアル製剤を注射器で吸って使用しますが、保育園や家庭では利用できません。
保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(厚生労働省)のアナフィラキシー時の対応マニュアルに則り、呼吸器症状ないしは循環器症状が出現した際は救急車で搬送してください。
また、生活管理指導票に記載されている緊急時連絡医療機関や園医の先生と、予め対応について相談しておくと安心です。

小麦、卵アレルギーをもつ子どもの保護者との認識のずれがあり、対応に困ることがある。
どのようにしたらよいか。

園にルールはありますか?ルールがないとどうなるでしょうか?
「ルール」として学校向け、保育所向けのガイドラインが作られています。園だけでなく、市町村単位でも、ガイドラインと生活管理指導票を基にした対応をご検討いただく必要があると考えます。

除去指示書に関して、離乳後、必要に応じて保護者に依頼している。また、毎年更新してもらっているが、指示書を頂ける適切な時期と更新に関する適切な期間を教えて下さい。

保護者から園へ除去依頼をするにあたっては、生活管理指導票の提出が原則1年に1回(入園・入学時、進級時)必要です。新しく食物アレルギーが発症した場合も再提出を求めます。
乳児では未摂取の食品が多いですが、食べられるようになった場合、除去食の解除は保護者から文書により申請を受けます。医師からの診断書は求めません。( 保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(厚生労働省)p44-45)

なお、生活管理指導票の作成にあたっては、保護者が自己判断で書くのではなく、医師が正しい診断のもとに記入します。その際診断書料(文書作成料)も発生します。

ごま、ピーナッツ、えびの摂取時期について。
園では0歳児クラスでは全部与えずに、かつ誤食が起こらないよう進級の際、保護者に確認後提供していますが、摂取時期が適切であるかも疑問です。
また、しらす干しにえびが入っているので、えびと同等の扱いにしているが、これも疑問です。

摂取時期について、まずは「以前、ピーナッツはあまり提供しない方がよいと聞いたが…」の質問をご参照ください。

日本の離乳食では、ゴマ、エビ、ピーナッツが使われることは少なく、乳児では、アレルギーの有無にかかわらず未摂取の例が多い印象があります。
これらの「給食における提供」は一定数の児が食べている年齢以降で開始したほうが、先生方の仕事を簡素化でき、誤食対策となるかもしれません。

また、保護者が食物アレルギーを疑い、除去食を要する場合、生活管理指導票が必須です。厚生労働省の保育所におけるアレルギー対応ガイドラインでは、未摂取の食品は自宅で食べてから開始することになっておりますし、生活管理指導票にも「未摂取」の選択肢があります。除去の要否や摂取開始は病院と保護者で検討します。
なお、しらすに含まれるエビは注意喚起表示(「市販の菓子の使用について…」の質問を参照)レベルの量です。

市販の菓子の使用について、商品内容の分かりにくいものが有る。
例えば、卵除去児に卵殻カルシウムは除去する必要が有るのかどうか。

保育所におけるアレルギー対応ガイドライン2019年改訂版(厚生労働省)p44-45、または学校給食における食物アレルギー対応指針(文部科学省)p18-19をご参照ください。
注意喚起表示と同様に、このレベルでの厳密な除去が必要な例に、安全な給食は提供できません。
ただ、卵アレルギー児のご家族は、児と同じ食卓で卵を含む食品を食べておられませんか? 給食の先生から「卵殻カルシウムもダメなんですか」と問われるとお母様も不安になるようです。
「卵殻カルシウムは大丈夫ですよね?もしこのレベルの除去食が必要だと、弁当対応をお願いしなければなりませんし、他の子との接触を考えると、入園の受け入れさえ難しくなります。ご家庭ではいかがですか?」等、保護者と話し合われてみてはいかがでしょうか。

ある種のナッツに対するアレルギー例は、他のナッツについても検査をする必要がありますか?
同時に多種のナッツにアレルギーを持つ例はどのくらいいるのでしょうか?
アレルギーのあるナッツを除けば、他のナッツはとりあえず食べさせてみてもいいですか?

ピーナッツとナッツはアレルゲン(アレルギーの原因となるタンパク)が異なり別々の食物アレルギーです。ナッツ同士についても同様ですが、クルミアレルギーの約4割は他のナッツにもアレルギーを示すと報告されます。裏を返せば6割は、他種のナッツが食べられるといえます。
ナッツは粉末やペーストにて使用され、知らずに食べてしまう可能性があるため、どのナッツが食べられるかを確認しておくと安心です。まだ食べたことのないナッツについては、血液にて特異的IgEを検査すると参考になります。クラス0-1であれば自宅で食べてみても構いませんが、怖くて食べられない方が多い印象があり、外来で食べていただく(負荷試験)と安心されます。
ピーナッツのAra h 2、クルミのJug r 1、カシューナッツのAna o 3特異的IgE抗体は、一定の値以上だとアナフィラキシーを起こすリスクが高くなることが示されています。ゴマ特異的IgEは比較的高値でも食べられる例が多く、診断には負荷試験を要することも多いです。

食物アレルギーのある園児。保護者が負荷検査に消極的だが、無理に勧めなくても良いか。

保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(厚生労働省)および学校給食における食物アレルギー対応指針(文部科学省)には、除去食を要する場合、医師の診断に基づく生活管理指導票の提出が必須とされています。病院を受診いただく機会としていただければ、負荷試験の要否も検討する機会になります。

以前、ピーナッツはあまり提供しない方が良いと聞いたが、早く提供した方が良いと言われる方もいる。
どちらが正しいのでしょうか。

離乳食での食べ始めを遅らせても食物アレルギーの発症予防にはなりません。ピーナッツの導入を遅らせることがピーナッツアレルギーへの進展のリスクを増大させることに繋がる可能性があるとして、欧米では、アレルギーのリスクがある赤ちゃんに対し、4-11か月でのピーナッツ開始を推奨しています。
しかし既にピーナッツアレルギーを発症している児には効果がなくむしろ危険です。日本では、食生活も異なるため、現時点では推奨されていません。不安な場合はかかりつけ医に相談しましょう。

ただ、安全を最優先させるべき給食と、自宅での対応は別です。
厚生労働省の保育園におけるアレルギー対応ガイドラインでは、未摂取の食品は自宅で食べてから開始することになっておりますし、生活管理指導票にも「未摂取」の選択肢があります。少なくとも保護者がピーナッツアレルギーを疑い、除去食を要する場合、生活管理指導票の提出を求めます。病院と保護者で、除去の要否や摂取開始を検討します。
もっとも、 日本の食習慣を考慮すれば、また誤嚥の問題もあり、年少児でピーナッツを食べている児はアレルギーの有無に関わらず少ない印象があります。先生方の対応を簡素化するために、一定数の児童が食べている年齢以降での提供の開始も考慮できるかもしれません。

市販のお菓子を買うとき、アレルギー食の製造ラインまで調べて使用している。
アレルギー成分が入っていなくても、製造ラインで同じ成分を使っている物は提供していないが、どこまで調べれば良いのか。

同じ給食室で調理すること自体「生産ラインが同じ」であり、そのような重症なお子さんに安全な給食の提供はできません。この「注意喚起表示」は義務づけられておらず「生産ラインが同じです」と記載されていない製品でも生産ラインが同じことがあるのです。
一方、表示義務のある食品については、製品1g中、数μg(1/100万グラム)以上のたんぱく質が含まれる場合必ず表示されます。数μgのアレルゲン量ではアレルギーは起きないといっても過言ではありません。

5歳のピーナッツアレルギー児。
1歳時にピーナッツクリームを食べて蕁麻疹が出たため、摂取を避けてきたが、就学を機に受診した。ピーナッツ・Ara h 2特異的IgE抗体ともに陽性であった。
除去食を指示したが、負荷試験は必要か?また経口免疫療法の適応はあるのか?

Ara h 2特異的IgEが高く、食物アレルギーはもちろん、アナフィラキシーを起こす可能性が高いです。負荷試験の適応は「5歳のクルミアレルギー児」の例をご参照ください。

成長とともに食べられるようになる可能性は高くありません。一般診療としては認められていませんが、臨床研究として経口免疫療法(原因食物を医師の指導のもとで少量から食べて食べられるようにする)が試みられています。治療は数年かかり、予期せずアナフィラキシーを起こすことがあり、治療をやめると元に戻ることも珍しくありません。
食物アレルギー診療ガイドラインにも「食物アレルギー診療を熟知した専門医が、症状出現時の救急対応に万全を期した上で、臨床研究として慎重に施行すべき」とあります。

5歳のクルミアレルギー児。時々喘鳴にて受診する。
1歳時にくるみパンを食べて蕁麻疹が出たため、摂取を避けてきたが、就学を機に相談を受けた。
クルミ・Jug r 1特異的IgE抗体ともに陽性であった。
除去食を指示したが、負荷試験は必要か?

Jug r 1特異的IgEが高く、食物アレルギーの可能性が高く、アナフィラキシーを起こすリスクもあります。
ナッツ類は粉末やペーストとして使用され、外食やパッケージされていないケーキやパン等には食品表示義務がないため、誤食の機会が免れず、微量で症状が出る場合はエピペン処方をお勧めします。
また、喘息の調子が悪いとアナフィラキシーの危険性も高くなります。きちんと診断し、十分に加療して下さい。

ナッツ類は成長とともに食べられるようになる可能性は高くありません。未摂取である、または「3個くらい」などたくさん食べて出た場合は、微量が食べられるかどうかを確認するための負荷試験を考慮しますが、アナフィラキシーを起こす危険性があります。専門機関に紹介いただき、その要否は患者さんと慎重に検討する必要があります。

卵、乳、小麦、大豆アレルギーの子がいます。
大豆のアレルギー検査反応は弱いらしく家庭では豆腐、味噌、醤油は使われています。黄な粉、大豆を食べた時に症状が出るそうです。
園では完全除去なので味噌、醤油も全て使っていません。大豆と直接関係ないように思うのですがお母さんが使うのが恐いらしくグリーンピースやさやいんげん、小豆など豆類としてひとくくりにしてお母さんの意向で園でも除去しています。
食べられる食品を試してみませんか?などの声かけ、勧め方がわかりません。

豆腐が食べられますので大豆アレルギーはなさそうですが、摂取量が増えると症状が出るのでしょうか?
また、味噌・醤油まで除去が必要なレベルのお子さんには給食対応は難しいとされます。 保育所におけるアレルギー対応ガイドライン2019年改訂版(厚生労働省)p44-45または学校給食における食物アレルギー対応指針(文部科学省)p18-19をご参照ください。
仮に大豆アレルギーだとしても、他の豆類は摂取可能なことがほとんどです。
除去食を依頼する際には医師の診断に基づく生活管理指導票の提出が必須です。受診の際に医師からお母様に説明できますし、必要に応じて専門医への照会もなされるはずです。

6歳男児。
喘息やアトピーの傾向があり、モンテルカストや抗アレルギー剤を内服中。
父親の実家に行くと皮膚症状が悪化し蕁麻疹が出る。数時間の帰省で眼瞼膨脹が見られ、皮膚のかゆみが悪化。動物はいないが畳が多く、祖父が喫煙者。
イ草や畳表面に塗布された薬品等へのアレルギーは考えられますか?

喘息もアトピー性皮膚炎もありますし、ダニアレルギーはありそうです。ダニアレルギーであれば、古めの畳や来客用の布団の使用でアトピー性皮膚炎が悪化したり、局所反応として蕁麻疹が出たりする可能性があります。い草や畳の表面の薬品アレルギーの可能性はもちろん否定はできませんが、可能性としては低いと思います。
タバコの煙を痒いと感じる患者さんはいます。ただ、蕁麻疹の8割は特発性(原因が特定できない)ですので、環境に起因するものか様子を見る必要がありそうです。
ダニアレルギーの場合、死んだダニや糞にも反応しますので、掃除機をかけるなどの環境整備も必要です。また、バリア機能が低下しますので、肌も良好な状態に保ちましょう。

蕁麻疹が出た場合、どこまで様子を見ていればよいか?
受診するタイミング、すぐにひく場合、1日湿疹がある場合、1日の中で時々出る場合と悩む。

アナフィラキシー症状がなければ救急搬送は不要です(「一人ひとりの子に合わせて、とは思いますが…」の質問もご参照ください)。
様子を見る際は、皮膚症状に加え、呼吸器症状、消化器症状、循環器症状が出てこないかを注意深くご観察ください。念のためアナフィラキシー時のマニュアルを参考に対応なさると安心です。
アナフィラキシーがなくとも、蕁麻疹が半日たっても引かない場合は速やかに皮膚科や小児科を受診してください。

皮膚症状のみの場合でも、蕁麻疹は個々の皮疹は数十分から数時間できれいに消失することが普通ですが、繰り返し症状が出現します。
また、皮膚症状が一旦消退せず何日も持続したり、色素沈着を残す場合は蕁麻疹以外の疾患の可能性がありますので、蕁麻疹と思われる症状がでた場合は皮膚科を受診することをすすめます。

蕁麻疹の受診先は、皮膚科?小児科?

じんましんと診断がしっかりついていれば、小児科でも皮膚科でもよいと思います。ただ、じんましんかどうか迷う場合は、発疹をくわしく診察する必要がありますので、皮膚科を受診したほうがいいかもしれません。