あなたの心配・不安にこたえます。くまもとアレルギー相談室 @熊本県アレルギー疾患対策拠点病院

大人のぜんそく

  • 気管支ぜんそくは、空気の通り道(気道)に慢性の炎症が起こることで気管支が敏感になり、発作的に気管支が狭くなることを繰り返す病気です。日本では、大人の10%に「ぜんそく」があるといわれています。

症状

主な症状として

  • 「ゼーゼー、ヒューヒュー」といった喘鳴ぜんめい
  • せきたん
  • 息切れ など

他にも

  • 夜間や朝方の咳や呼吸困難感
  • 運動時の息切れ
  • 風邪を引いた後に咳が長引く

さらに
咳止めを飲んでも治らない、8週間以上咳が続いている、よく風邪を引いて咳が出る、といった症状は「ぜんそく」 かもしれません。

原因

  • 環境による要因(アレルゲンへの曝露ばくろ、呼吸器感染症、喫煙、大気汚染、鼻炎など)
  • 生まれ持った素質(遺伝的な要因、性別、アレルギーの起こしやすさ、肥満など)

などがあります。

治療

長期管理薬 (コントローラー)

発作を予防するための薬

  • 吸入薬:ステロイド、気管支拡張薬
  • 飲み薬:ロイコトリエン拮抗薬
  • 注射薬:ステロイドや生物学的製剤
    (重症例で使われます)

増悪治療薬 (リリーバー)

発作が起こった時の薬

  • 吸入薬:短時間作用性β2刺激薬
    (メプチン、サルタノールなど)
  • ※中発作以上(苦しくて横になれないとき)は、全身性ステロイド投与を行うことがあります


  • 環境調整(悪化のきっかけを減らす工夫)
    アレルゲンの回避や風邪を引かない、禁煙など

  • ぜんそくの最も重要な薬は、「吸入ステロイド(ICS)」です。症状がなくても毎日吸入を行うことで、発作を起こしにくい良好な状態に保ち、将来、息切れなどの原因になる呼吸機能の低下を予防します。主治医の先生と相談しながら、継続することが大切です。
  • 吸入ステロイドを一緒に使わずに、気管支拡張薬のみを使用する治療は、重症発作を起こす危険があります。症状は取れて楽にはなりますが、とても危険ですので、気管支拡張薬のみの治療は行わないようにしましょう。

気管支ぜんそくについてもっと知りたい方はこちらもご覧ください。

【アレルギーポータル 成人のぜん息動画による解説】

よくある質問

大人のぜんそくは治りますか?

治癒ちゆする確率は低く、基本的には高血圧や糖尿病のように慢性疾患として長期に治療が必要です。正しい治療によって日常生活に支障がなく、将来、発作を繰り返したり、息切れの原因となるような呼吸機能低下を予防することができます。気長に治療を続けていきましょう。

吸入ステロイドは長く使っても大丈夫ですか?

吸入ステロイド薬はステロイドホルモンですが、飲み薬として使用するより量が少なく、全身への影響も小さいとされます。必要最小限の量で症状をコントロールするために、毎日定期的に吸入することが大切です。長期間使用しても安全に続けられる薬です。
ぜんそくの気管支は、発作がないときでも慢性的な炎症(気管支の腫れ)が残っています。症状や発作を予防するには、この炎症をしっかり治療する必要があります。ぜんそくをコントロールすることは副作用を大きく上回るメリットがあります。
使用後は副作用の予防のため、しっかりとうがいをしましょう。

ぜんそくになったら日常生活では何を注意したらいいですか?

  • 禁煙:喫煙はぜんそくにとって良い点は一つもありません。ご自身はもちろん、お子さんのぜんそくコントロールのためにも「禁煙」はとても大切です。
  • ハウスダストの除去:換気を心掛け、掃除機でほこりを吸い取る、小まめに水拭きをする。カーテンやぬいぐるみなど洗えるものは洗濯機で洗う。じゅうたんや布製ソファー、古い布団はダニが発生しやすいので避ける。防ダニ布団カバーを使う―など心掛けましょう。
  • ペット飼育:アレルギー症状は、ネコ、イヌ、ウサギ、ハムスターが多いといわれています。ぜんそくと診断された場合ペットを飼うことはお勧めできませんが、もし飼うなら屋外での飼育をご検討ください。

くまもと森都総合病院 呼吸器内科

総合診療科(呼吸器内科)部長 吉田 知栄子

・日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医
・日本呼吸器学会 専門医・指導医
・日本アレルギー学会 専門医